理事長所信

【はじめに】

新型コロナウイルスの猛威が続き、人は皆、経済的にも精神的にも不安定になり、今まで平和で豊かだった社会が一変してしまった。日本においても、夢や希望を持てない若者の増加、地域の衰退衰弱化、少子超高齢化など解決しなければいけない様々な問題が山積みの中、新型コロナウイルスの蔓延でこの国や地域を支えていくべき大人でさえも未来を描くことが難しくなっている。しかし、多くの人がこれからの未来に危惧しながらも、いつかまた平和と豊かさが戻るだろうと問題解決に向けた行動せず楽観的に考え、他力本願な空気感さえ感じる。そんな状況だからこそ、私たち青年会議所にしかできないやり方で先頭に立ち、明るい豊かな社会の実現に向けて地域に希望をもたらす存在になるべきではないだろうか。

私が入会した2009年の会員数は約30名だった。入会当初はメンバーを誰も知らず、活動に参加したくないという気持ちがどこかにあった。しかし、当時の先輩方は私の気持ちを知っているかのように自ら積極的にコミュニケーションを図り、参加しやすい環境や企画を開催してくれたことで、いつの間にか出席することが楽しくなっていた。参加したことで交流することができ、人を知ることができた。そして、多くの学びを得た。その中でJCの活動とは何かを理解し、それが事業構築や己の行動に繋がり今日の自分の礎となっている。

新型コロナウイルスは私たちを苦しめている一方で、時代の流れを早めた。ITを駆使すれば、直接会わなくても事が成せることがわかった。しかし、人は一人では生きていけないし、人は人でしか磨かれないという人の本質は絶対に変わらない。会員数が何人であっても人と人の繋がりを大切にし、切磋琢磨することで輝きを増す人材が生まれると信じている。100人会員がいれば、100通りの考え方があっていいと思う。しかし、私たちに許されている時間には限りがある。許された時間の中でどれだけの人に会えるか、どれだけの人と絆を深めることができるか。そして、真の友を作れるか。青年会議所に所属しているからこそ、このチャンスを逃して欲しくない。ダーウィンは種の起源の中で「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化する者である」と言っている。この状況がいつか改善されるのを待つのではなく、今、自らが変化していくことでチャンスを掴んで欲しい。私たちには、守るべき人や守るべきものがある。家族、仲間、会社、地域。自分が思う大切なものを守るために、時代に合わせて変化していかなければいけない。

一人の百歩より百人の一歩。誰かがやれば良いのではなく自分が率先して行動しいていくことが必要である。青年会議所の活動には、人を変える力がある。ただしそれは、熱い想いをもった仲間と行動していくうちに感じていくものだ。一人では変化を感じるのは難しい。また、変わるために新しく踏み出す一歩にも勇気がいる。躊躇することがほとんどだろう。そんなときは顔を上げ、周りを見渡してみよう。目の前には共に踏み出そうとしている仲間が、後ろにはそれを支え、後押ししくれる心強い家族や仲間が必ずいる。一歩一歩前に進むことで、確実に成長している自分がいる。自分を成長させることが必ず会社や地域の成長につながる。勇気を持って一歩踏み出していこう。この一年が必ず自分の財産となり、地域の希望になると信じ、常に前を向いて最高の仲間と共に笑顔溢れる運動を展開していこう。当たり前を当たり前と感じるのではなく、常に感謝の気持ちを持って、この街に住むみんなが笑顔になれるように。

【事業について】

全ての事業は、思いを込めて手を抜かず基本を守り一つ一つ丁寧に作り上げてほしい。課題や問題を根拠あるデータから明確にして、時代に合わせた先見の明を持って解決していく。前例にとらわれず、失敗を恐れず、参加した人が共感するだけでなく、「自分もやってみたい、携わりたい」と思わせるような事業を展開し、メンバーはもちろん地域の方々を巻き込んでいけるような事業を構築していく。

【総務 基礎の徹底】

組織として守るべきルールを再確認し、それを基礎とし徹底することが必要である。わからないことを、わからないままにするのではなく聞く行動に移そう。聞かれたときには丁寧に教えてあげてほしい。また、組織としての在り方(方向性)を示す宣言唱和の意味を今一度考えたい。自信を持って唱和することの積み重ねが価値観の共有に繋がり、個々が同じ方向へ向かって歩みだすことで太い根を持った組織となる。それは個の成長、組織の成長につながると確信している。

【渉外広報 成長の機会の提供と巻き込む力】

LOMだけに留まることなく、ブロックや関東地区、日本青年会議所に出向することで出会いのチャンスや成長のチャンスがある。出向することで得られることは沢山あることは私も経験をしている。また、出向しなくともブロック事業はもちろん、関東地区大会、京都会議、サマーコンファレンス、全国大会などに参加することでメンバーには多くの成長の機会が提供されている。その機会が提供されていることが、どれだけ有益で価値あることなのかを発信し、全メンバーにチャンスを掴んでもらいたい。その発信の方法も、近年進歩が著しいSNSやITを使うことはもちろん、昨今省略されがちな電話がけや対面でのコミュニケーションを通して達成したい。
また、私たちが行う事業は青年会議所自体を対外に発信する最高の広報ツールだとも思う。しかし、それは手段であり私たちが本来目的にしていることではない。発信することで多くの人に私たちの事業を知ってもらい、共感し応援し一緒に活動してくれるファンを作り、ひいては私たちの仲間になってもらえればJCI栃木のブランドをより地域に根差すことができる。

【会員拡大 より魅力ある栃木青年会議所へ】

会員拡大活動は、年齢制限がある私たちの団体において最重要な運動である。会員拡大はJCI栃木の成長に欠かせない運動であり、何より志を同じくする仲間の数が多いほど、JCI栃木のブランド価値の向上に寄与する。同じ釜の飯を食った仲間が一生の友となり人生を豊かにする。その友とひとづくり活動や社会活動を続けられたら、青年会議所創立の根幹であるよりよい社会への実現に繋がるだろう。しかし「数は力」という言葉をよく聞くが、数だけでは力にはならない。会員同士が交流することで、自分にないものを発見し、学び、「個の力」を成長させていく。その個の力と数を掛け合わせることで他にはない相乗効果を生み出し、組織の厚みが増し、地域からも頼られる組織になる。そしてその価値観、志が次世代へと引き継がれることで、JCI栃木の存在感を創り永続的に運動を広げる原動力へと変わると確信している。会員拡大は義務感でなく、同じ価値観を共有する仲間を増やすことが、自分のため、まちのため、大切な人のために繋がると信じて、ワクワク感を持って行動しよう。

【青少年育成 子どもたちの未来のために、生まれ育ったまちを好きになってもらおう】

子は宝なり。子どもたちは地域の宝であり、まちの活気やその周囲に希望を与えてくれる。子どもの笑顔や寝顔を見ていると、それだけで疲れが吹き飛ぶ。その子どもたちの笑顔やしあわせを創ることは、私たち大人に与えられた責務である。子どもが身につけるべき素養の基礎となるものを、私たちが導いていかなければならない。自分の好きなものや、興味のあるものを見つけることができれば、その結果として、どんな大人になる経験値かを考えてみよう。特定の年齢層に特化せず多くの子どもたちに経験の場、成長の場を提供し、子どもたちがこのまちをもっと好きになり、住み続けたい、大人になったら帰ってきたいと思える事業を構築していく。

【研修 新たな時代への準備、ピンチをチャンスに】

私たちは何のために勉強するのだろうか。好奇心や向上心を満たすため。出世やお金を稼ぐため。しかし本来勉強というのは、周りの人をしあわせにするために励むものではないだろうか。新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が厳しい状況にある。しかし、私たちはこれを大チャンスと捉えなくてはならい。なぜなら、大企業も中小零細企業も個人事業主もこれからの未来に向けて新たなことを構想し舵を切り始めている。これが平時だったらどうだろうか。舵を切るのに手間取ったに違いない。今ならまだ遅くない。私たちも再度考えてみよう。現状の自分の会社を見つめ直して、これからの在り方をみんなで真剣に考えよう。未来に答えはない。でも現状を知り、未来を考え、行動していくことが永続企業を目指していく上で必要である。絶対にできるという情熱をもって取り組めば、おのずと結果はついてくる。やってみて失敗に終わることも多くあるだろう。でもその失敗は決して無駄ではない。多くの失敗こそが、成功への道になる。多くの犠牲と苦労を経験しなければ、成功とは何かを決して知ることはできない。答えは誰にもわからない。でも行動しなければ何も変わらない。家族や周囲の人を守るためにも、自社とこの地域の発展のためにも、十年後、二十年後この時代に生まれてラッキーだったと言えるくらい真剣に現状を見つめ直して未来へ向かって歩んでいこう。

【まちづくり 一歩踏み込んだまちづくりを】

青年会議所が目指す「まちづくり」とは、まちを愛し、誇りに感じる市民を一人でも多く増やすことだと私は思っている。これが市民のしあわせに繋がる。行政や他団体とパートナーシップを組み、私たちが旗振り役としてあるべき姿を示し、まちの活性化のために一石を投じなければならない。今までは問題提起までで終えていた。昨年度に抽出した意見を参考に一歩踏み込んで実際に行動し、現状を打開するインパクトのある運動を展開していく。その行動に市民を感化させ、まちづくりに参加したいと思う能動的な市民を増やしていく。地域の人や資源の魅力をさらに輝かせ価値を生み出し、まちの永続的な発展に繋げていこう。

【交流 大切なものを大切にする】

アカデミーメンバー及び入会歴5年以内のメンバーが多く在籍する現在、OBとの接点が非常に少なく、もったいないと感じる。この青年会議所の歴史を作り繋いできてくださった先輩方との交流は必ずメンバーの成長に繋がると確信している。温故知新という言葉があるように今までの歴史を学び、より多くの先輩方とメンバーが向き合い今後の青年会議所の発展に繋げて行きたい。
また、我々の活動は、家族の理解の上に成り立っていることを決して忘れてはならない。家族の犠牲の上に「明るい豊かな社会」は成り立たない。あなたが家庭を離れれば、奥さんやご主人が親やこどもの面倒をみてくれている。自己成長もまちを想う気持ちも、足元が固まっていなければ、絶対に上手くいくことはない。日頃の感謝の気持ちを形にして我々の活動に共感してもらうことが大切ではないだろうか。

【最後に】

私自身、長きに渡りこの青年会議所に所属している。出来なかったことが出来るようになった喜び、何度書き直しても通らない議案書を書いた苦しみ、意見がぶつかって喧嘩した苦い思い出など多くの経験をさせていただいた。時には、活動するのが嫌で休んでいた時期もあった。辞めたいと思う時期もあった。そんな時私を支え、手を差し伸べてくれたのが仲間である。だから辞めなかった。辞めずに済んだ。仲間がいなければ今の自分は100パーセントいない。私は、この感謝の気持ちと御恩を一生忘れることはない。そんな仲間が近くにいる。どんなに出来なくても、馬鹿にされても本気でやっていれば、人は見ていて応援してくれる。苦しいとき、周りを見渡せば必ず仲間がいる。周りを見渡せば、しあわせはこんな身近にある。このことを忘れないで欲しい。
「暗いと不平を言う前に自ら進んで明かりを灯しなさい。誰かがやるだろうということは誰もやらないことを知りなさい」まずは自分自身がピンチをチャンスに変えて全員で新たな一歩を踏み出していこう。それがこの街の雰囲気を変え、青年会議所の根幹を創ると確信している。自信を持って「俺たちの仲間は最高だ」と言えるような組織にしていこう。「俺たちの街は最高だ」といえる地域にしていこう。私はその先頭に立ち一年間全力で走り続けることを約束する。