理事長所信

2012年度 社団法人栃木青年会議所 第54代理事長 森戸忠広

私が社団法人栃木青年会議所(以下栃木JC)と出会う前、社会人とは「会社で働く」「税金を納める」これだけが社会人だと思っていました。自分が暮らす地域に対しても何の興味もなく、行政に対しても教育に対しても社会人として何一つ興味を持っていませんでした。しかし、栃木JCに入会し活動をしていくうちに、本当の社会人は労働や納税義務のほかに地域への貢献(奉仕)をしてはじめて社会人であるという考えに至りました。自分が暮らす地域に興味や関心を持ち、その地域が少しでも良い方向へ行く事を考え、行動し、それに対して責任を持つことの大切さを学びました。その考えに至ったのは栃木JCが築いた半世紀の歴史と、それを築いてくださった先輩方の伝統、そして伴に歩んできた仲間が居てくれたからこそだと思います。己の利益の為にではなく、地域の為に活動するからこそ生まれるメンバー間の信頼と友情、例会や事業で受ける経営者・社会人としての知識やスキル、他団体との交流を通じて出来る人との縁、そして地域貢献することで生まれる奉仕する喜びや郷土愛など、どれもが私にとって人生を豊かにしてくれる宝物となりました。栃木JCという組織が大変貴重な組織であり、地域にとって必要不可欠な存在だと確信しております。
昨年、景気回復の兆しが見えない只中に東日本大震災がおきました。文字通り、日本の根底を揺るがす未曾有の大震災でありました。幸いなことに大規模な被害がでなかった私たちが暮らす地域でさえ、誰もが大なり小なり震災の影響を受けています。このような時に奉仕活動している場合ではないと言う人も多いかと思います。もしかしたら、メンバーの中にも思う人が居るのかも知れません。しかし、こんな厳しい時だからこそ青年会議所という組織が地域や我々メンバーにとって必要なのではないでしょうか。青年会議所に入会していたから出来る経験、知識、人脈など、厳しい時代を生き抜くためのスキルや気付きがそこにはあると信じています。栃木JCで培ったスキルを自分の勤める会社や生活の基盤である家庭に生かす事ができれば、必ず自分自身が成長し、良い結果に繋がるはずです。自分が成長できるチャンスを得るためにJCに参加しようと目的を持てば自ずと全ての時間が貴重であると思うはずです。仕事の時間、家庭の時間、JCの時間、そしてプライベートの時間、全ての時間が濃密な時間になるはずです。それこそが豊かな人生を構築するために必要なことであり、青年会議所に入って学ぶべき基礎中の基礎だと考えます。厳しい時代だからこそ、基礎に立ち返り、基本を徹底することが今一番必要だと考えます。そうすることで、困難な時代に立ち向かえる強い個人となり、強い個人の集まる強い組織になれると確信しています。
私は、栃木JCには地域から愛される強い組織のままで居て欲しいと願っています。地域に対して提言し、それが反映しうるだけの力を持つ強い組織であって欲しいのです。強者であって欲しいのです。それは栃木JC組織が強者であることが地域にとって良い影響をもたらすことが出来ると考えるからです。

多くのスキル研修を行う

今の困難な時代、誰もが多かれ少なかれ仕事に対する閉塞感を持っているのではないでしょうか?そこで年間を通して、数多くのスキルを上げる機会を作りたいと思います。ビジネス研修を含めたスキルの充実こそが仕事・家庭・JCがより良い形で充実するための大きなファクターとなります。その研修もできるだけメンバー・OBから講師を依頼する手作りの研修にしたいと思います。講師が身近な人であればあるほど、忌憚のない実のある研修ができると考えます。また、アカデミーメンバーなど入会間もないメンバーを中心に新たな出会いや交流の一助になることを期待しています。混迷の時代に自分の会社での今ある悩みや閉塞感を打破することで、仕事やJCに対するモチベーションを高めて欲しいと考えます。また身近な人が講師だからこそ基礎中の基礎を学ぶ機会を設けたり、既存する会社の事業に対し新しい見方や切り口を模索したり、ビジネスに対する知識など出来るだけ多く得る機会を作ります。そして、最後には、もう一度聞いて更に深めたいスキルは何かをメンバー内で集約していきます。

行政と真のパートナーシップを目指して

行政とJCが密であればあるほど、よりよいまちづくりが出来ると考えます。また、行政にとって本当の意味でパートナーシップを結べるのは、中立であり利益の追求をしないJCこそがベストパートナーであるべきだと思います。行政と一緒に被災地救済活動に関するプロジェクトを行い、更に高いレベルでの支援ができるよう行政とタッグを組んで取り組みたいと考えます。
今回で5回目を数える市民討議会ではありますが、合併し新市としては2回開催しました。そこで前回の市民討議会で出た提言書がどういう経緯を辿り、どう活かされていくのかを行政とJCが伴に互いの立場で意見交換する機会が必要であると考えます。その結果をもとに今後の市民討議会をより実践的な討議会にしていきます。
また、行政との新しい関わり方を模索していきたいと思います。その一つとして、公益例会・事業に行政の方に積極的に案内し参加を促して栃木JCについて関心と理解を得る努力をします。 合併し、落ち着きつつある今だからこそ、より良いパートナーシップを結ぶ一歩が必要であると考えます。

年間を通したこども未来会議の復活

昨今の栃木JCは「こども系委員会」という言葉を使いたがります。しかし、本来は「こども系」ではなく、「教育系委員会」であるべきです。今、必要な教育とは何か?地域の大人として伝えなくてはならない事は何か?をよく吟味し1年を通じて活動していきたいと考えます。私は数度にわたり、こども未来会議に関わってきました。そこで一番感じたことは、一つの目標に向けて大人もこどもも情熱を傾けることの素晴らしさでした。苦楽をともにするからこそ本気で交わり、そこから得られる感動は何ものにも代え難いものです。だからこそ、こどももメンバーも本気で関われる教育的要素が必要となります。この度の震災で、私はこの時代に生きた大人として、地域のこどもたちに震災について関心を持って欲しいと思います。自分はこどもだから何も出来ないではく、こどもだから出来るボランティアを探して欲しいと考えます。対象年齢も小学生だけではなく、できるだけ幅広く関わって欲しいのです。自分と同じ年代のこどもたちが危険な場所で暮らしている状況を知り、被災した方に対して考える機会を与える事が、これからの次世代を担うこどもたちに必要なのではないでしょうか。

協働する震災ボランティア

市民だけではなく、栃木市や近隣の市町にある企業や市民団体からもボランティア活動に対して積極的な参加をしていただけるよう働きかけます。地元の名産品やB級グルメなどを被災地で振舞うことが出来れば、企業にとっても被災地にとってもプラスになると考えます。栃木県で推進しているフードバレー運動の観点からも理に適っていると考えます。
食料以外でも支援すべき物資、そして物資以外の娯楽を含めた精神的な救済を模索するなど様々な角度から被災された方にとって笑顔が溢れる支援になるよう努めていきたいと考えます。
栃木JCは企業や団体を協働させることが出来る団体でもあります。その窓口として活動することが栃木JCが地域に対して名実伴に心強い存在であると考えます。

創意工夫の原点回帰(コスト削減)

苦難の時代に加え、少子化の影響で今後の会員拡大は厳しさが更に増していくことは容易に想像が出来ます。会員が減少すれば自ずと事業にあてる予算も限られてきます。そういった困難な時代だからこそ、本気で創意工夫する必要があると思います。ここで言う創意工夫は、どれだけ手間をかけられるかという事です。例えば講師例会をするならば、自らが講師となって事業を行ってください。コスト削減しながら、それ以上に得る事が沢山あるはずです。この苦労は誰のためでもなく自分が成長するための糧だという事を認識してください。
「掛けるべき費用は掛ける。しかし、自分たちが苦労すれば出来ることには費用をかけない。」もしかしたら、見栄えは良くないかも知れません。しかし、見栄えは悪くともメンバーの利益になるのは手間をかけた方だと信じます。これは栃木JCとしての基本であり、例会・事業を行う判断基準のひとつにしたいと考えます。

会員拡大の意義=自分の魅力を「量る」チャンス

上記に会員拡大は困難だと書きましたが、会員拡大は栃木JCが存続していく上で極めて重要なファクターとなります。しかし、誰もが会員拡大については臆病になります。それはなぜか?それは断られる事を想像してしまうから。結果を出せないことがかっこ悪いと感じてしまうことが、会員拡大に対して消極的になってしまうことの大きな要因ではないでしょうか。会員拡大は確かに結果が伴います。ですが、会員拡大に関する考え方を変えてください。営業のスキルを磨く練習だと思ってください。売るものは素晴らしい自分と自分を育ててくれた栃木JCです。相手にとって自分は魅力ある商品(人間)になる努力をしてください。もし失敗したからと言って誰から批判されるものではありません。何度でもトライをしてください。自分を上手に売り込める練習に会員拡大は成果ある修練だと思います。また、自分の魅力不足を感じたならば、それもまた成長できるチャンスです。より魅力的な人間になる気付きを与えてくれる貴重な場でもあります。

公益と非公益のゾーニングの徹底

一般社団法人取得を目指しつつも、将来は公益社団法人取得を見据えて活動していくことが定まった今、地域の為に貢献し続けてきた栃木JCとして、どちらの法人格を取得するにしても地域に対する貢献し続けなければJCとして義務を放棄したことになります。より公益的な例会・事業を行うにあたり、誰にとって益のある例会・事業なのかを明確にすることで更なる公益性の高い例会・事業ができるのではないでしょうか。先ほどにも例としてあげましたが、講師例会を設えるならば、誰にとっての例会なのか目的をはっきりすれば、自ずと設えは変わってきます。例えばメンバーのみの研修を目的とするならば講師はメンバーがやるべきです。講師例会を設えるならメンバーが講師をすることで講師になったメンバーのスキルアップが期待できます。例え講師として失敗したとしても、それはメンバーにとって大きな糧になるはずです。失敗した経験こそが自分を大きく飛躍する糧となります。しかし公益を選び一般の方を対象にする講師例会ならば、専門職ではないメンバーの講師では、市民の期待した成果は得られないでしょう。
公益例会・事業を行うからこそJCがJCたる所以です。しかし、非公益が悪で公益が正というわけではありません。公益例会をするならば、より公益に特化し、非公益であればメンバーに対して、最大限のスペシャリティーを提供して欲しいと考えます。いずれも栃木JCに参加していないと出来ない貴重な知識や経験になるはずです。