理事長所信

(はじめに)
 我々が翼を担う(公社)日本青年会議所は、近年、会員減少の一途を辿っている。嘗て、16年前の2000年には約57,400人の会員がいた。しかし、2016年には約33,200名となり約4割も減少している。これは、日本国民のうち、20歳~40歳までの人口減少率と比較しても遥かに勝る数字である。  我々(一社)栃木青年会議所においては、ここ数年、会員拡大に力を注いできた。その結果、会員数を飛躍的に伸ばした。平成28年度には正会員数82名でスタートし、更に会員拡大も進み、平成29年度には100名を超えるであろうLOMとして成長し続けている。この活動で得た、かけがえのない仲間は、これからの運動において大きな原動力となり、貴重な人財になる。  そして、組織が大きくなるのと同時に、更に地域において、青年会議所としての社会的地位と、必要性を進化させなければならないと考える。

 昨今、「JCしかない時代」から「JCもある時代」と耳にする様になった。地域で活動する団体が増え、その一つでしかないと認識されているのかも知れない。青年会議所は20歳から40歳までの多様な志を持った青年経済人の集まりであるべきである。アカデミーメンバーが半数以上を占めている現状で、これから組織として、問われ、求められ、歩むべき未来は、青年会議所の歴史の中で培われ、継承されてきた独立自尊の精神を糧とする「個」を超え「公」としての価値だと考える。  各会員が青年会議所に入会したきっかけは、自分自身のためであり、つまり自利を目的としている場合が多いだろうが、活動を通じて得た個の力を利他のために活かす事が公として価値を高めるのである。そしてそれは、諦めにも似た受入からはじまるのだ。自らの在り方と、想いや行動が、自身を含むすべて未来に影響を及ぼす事を自覚し、矜持を持って行動しなければならない。

【会がひとつになるために】
 会員数が増えたことによって、各会議の運営方法もさらに進化しなければならない。各事業の意義をすべての会員が共有し理解してこそ、魅力ある事業が展開できるからだ。その為には、適切な情報発信と余裕のあるスケジュール管理、会議設営が必要である。また、会員数が増えたことによって事業予算も増えた。我々の活動は、会員の会費によって賄われている事を一人ひとりが理解し、より一層、予算計画から念入りに行えるよう運営方法をより透明化しなければならない。

【青年経営者として輝き華て】
 JAYCEEの多くは、中小零細企業で経営に関わるメンバーである。自社においてプレーヤーであり、マネージャーとしても会社を牽引している。高度経済成長期であった1980年以降の経営者平均年齢は上昇傾向にある。当時、経営者割合の大半は40歳前後の我々と同じ青年である。現在、一番多いのは70歳以上世代である。これは、当時の経営者が約40年経過した今も尚、企業のトップとして君臨し続けいているとも言えるのではないか。戦後、国難を乗り越え、守り、磨きあげられてきた地域において、我々に当時の経営者ほどのリーダーシップという輝きはあるのだろうか。物事を判断し、決断し、行動する。この経営者として欠かすことのできない事を他人に依存せずできるのだろうか。まずは、自身の職に誇りと矜持を持つべきである。そして、それだけでは足りないものを養える場所として青年会議所は存在し続けなければならない。また、継続して目標を明確に持った会員拡大を行い、多くのメンバーと公としての価値を共感するべきである。

【機会の提供と運動の発信】
 青年会議所の活動において、会員に与えられる機会は可能な限り広く提供されるべきである。世間でもグローバル化が進んでいるなか、世界規模の組織に輩出できる機会があるのにも関わらず、LOMだけに留まることは進化を妨げ、後退する可能性もある。それは、単に先進技術や手法を取り入れるというものではなく、視野を広く持ち学ぶことによって、改めて自らが住まう地域の良さや足りないものを知ることが出来るからだ。その事があってこそ、より輝きが増すのだ。青年会議所の組織を活用し、広い視野で学び、志を糧に個の能力を地域に活かそう。  そして同時に、活動を多くの人々に広報しなければならない。意図して行うことで、活動が運動となり、個と公とが結びつくきっかけとなる。

【地域の魅力を活かす。発信させる。】
 生まれ育った地域の魅力はなんなのだろうか。岩舟町が合併し新生栃木市となり3年目を迎える。地方創生が叫ばれ、政治でも様々な政策が打ち出されているが、我々は地域において根を大きく張った活動はできているだろうか。青年会議所は地域を創る運動を目標に、メンバーだけに限らず、地域に住まう市民においても当事者意識の育成が必要である。たとえ、個として魅力を秘めていても、公の場に活かされ、発信されていなければ地域の力にはならない。地域の小さな魅力を公に活かす事業を行い発信させたい。  また、時には「協働」という響きに惑わされる事なく突き進まなければならないこともある。単に行政と市民との架け橋となるのではなく、能率や、効率といった大儀ではなく、青年会議所だからできる市民の声を行政へ届け、現実のものとして響かせよう。

【子どもの可能性を引出し地域の担い手を育てる】
 子どもたちの将来の夢を聞くアンケートを各企業が実施すると、スポーツ選手や、医師、パティシエなどが並ぶことが多い。私自身、高校3年の夏まではプロサッカー選手になりたかった。まずは、子どもたちが夢を持ちそれに挑戦することが重要である。そして、地域を支える魅力ある職に触れて貰いたい。その機会は、我々自身がプロフェッショナルな魅力を活かし、学校では教えてくれない事を体験のできる事業によって与えられるのだ。

【触れる喜びがスタートである】
 栃木青年会議所は59年の歴史がある。そこには多くの先輩たちが存在し、積み重ねられた伝統と、変革を起こしてきた志がある。我々は、そんな時間軸の中で活動している。  経験に勝るものはない。先輩たちの経験に触れる事で、時代背景や目的、そして志を直接感じることが我々の今後の活動のきっかけになる。その為には、聞く一方ではなく我々の想いを伝え対話ができる事業が必要である。  交流は、青年会議所の関係者に限らず地域の市民とも必要である。青年会議所活動を認知してもらう事は当然だか、事業を通じて我々メンバー一人ひとりが青年会議所に存在し活動している事を知ってもらう事だけでも大きな意味があるのだ。

【むすびに】
 (一社)栃木青年会議所は会員が増加し、次なるステージに進む時期なのだ。深く根をはらし、太い幹となり、広く枝をのばし、豊かな実をつけよう。  深い根とは、志と矜持によって結ばれた会員であり、その目に見えない根があるからこそ、太い幹ならぬ強い組織が形成され、広い枝という魅力ある事業が展開できるのだ。やがて、成果として豊かな地域と青年経済人としての人格が形成され、輝く実となる。